マットコート紙の特徴は？コート紙、光沢紙との違いや事例を紹介

マットコート紙は、フライヤーやパンフレットなど、様々な印刷物に使われる用紙です。印刷物の仕上がりは用紙選びによって印象が大きく左右されるため、用途に合わせた使い分けが重要です。

本記事では、マットコート紙の特徴やおすすめの用途、ほかの印刷用紙との違いや使い分け、さらに制作時の注意点などを紹介します。マットコート紙を使った制作をお考えの方は、参考にしてください。

当社では、マットコート紙を使用した商品ラベルをオーダーメイドで制作しています。お客様のイメージどおりの商品ラベルやシールが仕上がるように、丁寧にサポートを行っていますので、お気軽にご相談ください。

マットコート紙とは？素材や特徴について紹介

マットコート紙は、ツヤ消し加工した用紙です。主に印刷物で使用されており、以下の特徴があります。

特徴1　ツヤのないサラサラした質感

マットコート紙は、表面にコート剤を塗布したサラサラした質感を持つ用紙です。光沢をおさえたマットな見た目で、紙そのものの素材感が楽しめます。

また、鉛筆やボールペンなどで書き込みも可能な用紙です。そのため、商品ラベルや整理用ラベルなど、個別に情報を記入する必要がある用途にも適しています。

特徴2　上質で落ち着いた印象、高級感を演出できる

マットコート紙は、紙特有のナチュラルな肌ざわりで、デザインやブランドイメージを演出できる用紙です。高級感や落ち着いた印象を与え、商品に付加価値を高める効果にも期待できます。

また、光沢をおさえた仕上がりで、印刷された文字や画像が見やすく、目に優しい点も特徴の一つです。

特徴3　比較的安価

マットコート紙の価格は中程度で、コストパフォーマンスが高い用紙といえます。

低価格であるため、大量印刷や予算を重視した制作に適しています。そのためチラシやパンフレット、商品ラベルなどの制作でコストをおさえたい方にもおすすめです。

ラベル・シールに使われる紙素材やフィルム素材については、以下のページに一覧として掲載しています。ぜひ素材選びの参考にしてください。

ラベル素材一覧ページ

マットコート紙の厚みと主な活用場面

マットコート紙は汎用性に優れており、さまざまな用途や環境下で使用できる用紙です。

例えば、パンフレットでは厚みを変えれば本文、表紙の両方に適した使い方もできます。

薄い紙から厚い紙まで幅広いラインナップがあり、用途に応じて最適な厚みを選ぶことが可能です。以下に、主なマットコート紙の厚みとそれぞれの用途例をまとめました。

厚み	用途例
73kg	新聞折り込みチラシ、雑誌の本文など
90kg	チラシ、フライヤー、リーフレットなど
110kg	パンフレットや会社案内、チケットなど
135kg	冊子の表紙、ポスターなど

また、マットコート紙は上記のチラシやパンフレット以外にも、シールやラベル印刷にも活用できます。
マットコート紙について詳しく知りたい方は、以下の記事でも解説しています。

マットコート紙 | マットな用紙で真っ白な色が特徴の紙素材

マットコート紙とほかの用紙の違い

ここでは、マットコート紙以外で一般的に使用される印刷用紙について紹介します。

主な用紙は次の3種類です。

それぞれの特徴とマットコート紙との違いについて解説します。

用紙1　アート紙（アートコート紙）

アート紙はコート紙の一種で、アートコート紙とも呼ばれています。

表面がコート剤でコーティングされており、微光沢とツルツルとした質感が特徴です。そのため色の再現性が高く、パンフレットやポスターなどの販促ツール、写真集や画集といった印刷に適しています。

価格はお手頃で入手しやすく、インクの乾きが早いため、チラシなどの大量印刷にも使われている用紙です。また、さまざまな厚みがあり、用途に応じた使い分けもできます。

ただし、鉛筆やボールペンでの書き込みには適していません。

マットコート紙との違いは主に「光沢」にあります。

アート紙について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。

シールに使われるアート紙とは？上質紙やミラーコート紙との違いを解説

用紙2　ミラーコート紙（キャストコート紙）

ミラーコート紙はコート紙の一種で、キャストコート紙とも呼ばれています。テカテカとした強い光沢のある仕上がりが特徴の印刷用紙です。

色の再現性が高く、写真やイラストを鮮明に表現したい場合に適しています。そのため、広告やパンフレット、写真集など、視覚的に目を引きたい印刷物に最適です。またインクの乗りが良く、低価格でありながら応用の利く便利な用紙として、広く利用されています。

マットコート紙との違いは「質感」です。

ミラーコート紙の詳細を知りたい方は、以下をご覧ください。

ミラーコート紙 | 強い光沢の効果が特徴の紙素材

用紙3　上質紙

上質紙は、表面にコートが施されていないサラサラとした質感の印刷用紙です。筆記性や可読性に優れており、コピー用紙やノート、書籍など幅広い用途で使用されています。

上質紙も低価格でありながら、紙本来のナチュラルな質感と高級感が楽しめる点が特徴です。ただし、インクを吸収しやすいため、色が少し沈んだ仕上がりになります。

マットコート紙との違いは「色み」です。

上質紙について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。

上質紙 |紙特有のマットな質感が特徴の紙素材

マットコート紙はシールやラベル印刷に最適

マットコート紙はシールやラベル印刷にも適しており、特に以下の用途での使用がおすすめです。

種類	特徴
商品パッケージ・シール	高級感や落ち着いた雰囲気を出したい商品パッケージに最適
お酒のラベルシール	紙特有の質感で高級感、付加価値を与えることが可能
訂正シール	マットコート紙は白いため、白い面の訂正に最適

シール印刷には、マットコート紙をはじめとした紙素材のほか、耐久性や耐水性などに適したフィルム素材もあります。それぞれの特徴を理解して、用途に合わせた素材選びが大切です。

シール用紙について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

シール用紙おすすめ10選！選び方やタイプ別の特徴、素材も解説

マットコート紙の制作事例

ここでは、当社で制作したマットコート紙の制作事例を紹介します。

食品パッケージ用シールを、訂正用のマット紙で作成しました。このシールは、海苔を入れるチャック付き袋の表面に貼るラベルです。

通常のマットコート紙では袋の印刷が透けてしまいますが、訂正用のマット紙を用いることで、印刷の透けを防げます。

また、マットコート紙のサラサラとした質感が海苔店の商品パッケージにマッチしています。

今回の制作では、多品種の商品に対応するため、複数種類のシールを制作しました。これにより、全体のコストを抑えられています。

こちらの制作事例について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

制作事例｜伊藤海苔店　パッケージシール

マットコート紙を使用する際の注意点

最後にマットコート紙を使用する際の注意点について紹介します。主な注意点は以下の2つです。

 注意点1　インクの色がほんの少しだけ暗くなりやすい

マットコート紙は、印刷時にインクの色がほんの少しだけ暗くなりやすい傾向があります。そのため、特に鮮やかな色彩を求めるデザインには注意が必要です。

鮮明に色を出したい場合は、光沢のあるミラーコート紙やアート紙などの検討がおすすめです。

色合いが気になる方は事前に試作を行い、仕上がりをチェックすることで、印刷物が意図したとおりの色合いになるかを確かめられます。
マットコート紙は、デザインや色によって向き不向きがある用紙です。不安がある場合や最適な用紙選びに迷う際は「お問い合わせ」からお気軽にご相談ください。

注意点2　上質紙と区別がつきにくい

マットコート紙と上質紙は、質感が似ています。また共に光沢が少なく区別がつきにくいため、制作時や印刷後の確認で混同しやすいので注意が必要です。

上質紙の色は若干アイボリーに近い白となっています。一方、マットコート紙は色は真っ白です。

しかし、マットコート紙の控えめな光沢により、ぱっと見ただけでは違いが分かりにくいことがあります。

事前に違いを確認して比較するなど明確にイメージをすり合わせることで、仕上がり後のトラブルを防ぐことが可能です。

マットコート紙の特徴を知って制作しよう

マットコート紙はサラサラとした素材感が特徴で、マットな質感により高級感や落ち着いた印象を演出できる用紙です。比較的、低価格であり汎用性が高いため、パンフレットやチラシ、商品パッケージ、訂正用シールなど幅広い場面で活用されます。

ただし、色が沈みやすく、インクの乾きが遅い特性もあるため、発色を重視する場合や納期の迫った大量印刷の際は注意しなければなりません。

当社では、記事内に紹介したマットコート紙のように、使用目的に合わせたさまざまな商品ラベルやシールを制作しています。商品ラベルやシール制作についてお悩みの方は、糊選びから丁寧にサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。