シールに使われるアート紙とは?上質紙やミラーコート紙との違いを解説

シール アート紙
  • URLをコピーしました!

シールに使用される素材には、紙やフィルムなど数多くのバリエーションがあります。それぞれ見た目の印象や触り心地など特徴が大きく異なるため、用途や好みに合わせて適した素材を選ぶことが大切です。

本記事では、紙系のなかでも特に広く用いられている「アート紙」に注目し、特徴や活用方法について詳しく解説します。低価格ながら組み合わせ次第でさまざまな演出ができる素材なので、ぜひ本記事を最後まで読んで有効活用できる知識を身に付けてください。

当社は、多様な素材や加工技術でシールの制作を行っているシール印刷会社です。用途や完成したときのイメージに合わせて、最適な素材をご提案させていただいています。オリジナルシールの制作をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

即日対応します。ぜひ一度お試しください。

目次

アート紙とは

アートコート紙
アート紙

アート紙は、上質紙にグロス系塗料を塗布したコート紙(塗工印刷用紙)の一種で、アートコート紙と呼ばれる場合もあります。表面がコーティングされているためインクの発色も良く、色をより綺麗に表現できることが特徴です。

また、一般的によく使われる上質紙よりツヤがあり表面がなめらかなので、高級感もあります。表面に施されたコート剤のおかげで僅かな撥水性があり、そのほかの特殊加工とも相性が良好です。使用できる粘着剤の種類も多いため、幅広い用途で活用されています。

ラベルシールの素材に使われるアート紙については以下のページでも詳しく解説しています。ご確認ください。

ラベル素材|アートコート紙は微光沢で落ち着いた印象の素材です。

上質紙とミラーコート紙との違い

アート紙と上質紙、ミラーコート紙の違いは、以下の表のとおりです。

アート紙上質紙ミラーコート紙
光沢あり(微光沢)なしあり
質感指で触るとツルツルしている紙素材ならではのナチュラルな風合い指で触るとツルツルしている
種類・73kg(0.080mm)
・90kg(0.090mm)
・110kg(0.105mm)
・訂正用
・55kg(0.080mm)
・70kg(0.090mm)
・90kg(0.120mm)
・訂正用
・73kg(0.080mm)
・訂正用
粘着一般的な粘着、強粘着、調強粘着、弱粘着、強粘再剥離。弱粘再剥離、冷食用など、幅広く対応一般粘着、強粘着、超強粘着、弱粘着、強粘再剥離、弱粘再剥離、冷食用など、幅広く対応一般的な粘着、強粘着、調強粘着、弱粘着、強粘再剥離。弱粘再剥離、冷食用など、幅広く対応
化学物質調査REACH規制RoHS指令、など書類提出可能
※材質によって非対応あり
REACH規制RoHS指令、など書類提出可能
※材質によって非対応あり
REACH規制RoHS指令、など書類提出可能
※材質によって非対応あり

それぞれの素材を比較すると、主な違いは「光沢の強さ」と「種類の豊富さ」にあります。

アート紙は、微光沢で厚みの種類が多く、雑誌やカタログ、パンフレットなど、鮮やかさとコントラストを求められる場面に使用されることが多いです。一方、上質紙は光沢がないため、サラサラとした質感でナチュラルな雰囲気を演出できます。

ミラーコート紙は光沢が強く、鏡のように光を反射することが特徴です。厚さの種類はアート紙と比べて少ないものの、広告などのカラフルな写真やイラストなど、色彩の鮮やかさと高いコントラストを求められる場面でよく活用されています。

上質紙との違い

上質紙は、一般用紙と呼ばれることも多い紙素材で、コピー用紙などさまざまな用途で生活に浸透しています。表面にコーティング剤を使用していないことから、ナチュラルな風合いとサラサラとした質感をしていることが特徴です。

アート紙に比べてインクを吸いやすく落ち着いた発色になるため、使用する際は色校正や試作をして、仕上がりを確認しておくことをおすすめしています。

鉛筆やペンでの書き込みにも適しているため、アンケート用紙や申し込み用紙など、記入が必要な書類にも利用可能です。チラシやパンフレットに使用するときは、自然で優しい印象のデザインと組み合わせることで、上質紙ならではの良さを発揮できるでしょう。

ミラーコート紙との違い

ミラーコートは王子製紙の商標で、一般的にはキャストコート紙とも呼ばれます。アート紙と同じように、表面にグロス系塗料が塗られたコート紙(塗工印刷用紙)の一種です。表面が鏡のようにピカピカ光ることから「ミラー」の名称が付けられました。

光沢度がほかのコート紙と比較して、格段に高いことがミラーコート紙の特徴です。また、インクのノリがよく印刷の再現性が高いことから、社会的に高級印刷用紙として広く知られています。印刷業界でも「ミラーコート」という呼称が広く一般化している定番の紙素材のひとつです。
当社では、アート紙やミラーコート紙を始めとして、さまざまな素材見本を無料でご覧いただけます。シールの素材選びにお悩みの方は「お問い合わせ」からお気軽にご連絡ください。

アート紙の特徴を生かせる3種類のシールタイプ

シール印刷機
シール印刷機

アート紙の特徴を活かせるシールタイプは、以下の3種類です。

  1. 商品パッケージ
  2. 食品ラベル
  3. リボンシール

種類1 商品パッケージ

アート紙で作成されたシールは、食品や薬、雑貨など、さまざまな種類の商品パッケージに使用されています。ツルツルとしていて光沢がある一方で反射が強すぎないため、商品名や成分表などの文字も読みやすく仕上がることが大きな強みです。

印刷の発色がよくコントラストがはっきりしていることから、質感や風合いよりもデザインの再現性が重視される商品パッケージに向いています。アート紙ならではの微光沢な質感には慣れ親しんだ印象を抱く人も多く、日常生活で幅広く活用されている素材です。

以下の記事では、商品パッケージの作り方について詳しく解説しています。

商品パッケージの作り方とは?ワンランク上の演出をする方法も解説

種類2 食品ラベル

アート紙は、印刷がシャープに出て細かい文字でも読みやすく仕上がるため、食品ラベルにもよく活用されています。紙系のなかではリーズナブルな価格帯のため、予算内にたくさんのシールを印刷したいときには特におすすめです。

基本的にどんな粘着剤とも相性がいいことから、食品だけではなく商品の裏側に貼付するラベル全般に活用されています。用途を限らない汎用性の高さが、広く使われている理由のひとつです。

以下の記事では、食品ラベルの作り方について詳しく解説しています。

食品ラベルの作り方は?記載事項のチェックリストと作成時の注意点

種類3 リボンシール

アート紙は、リボンシールを制作する際のシール部分にもよく使用されています。リボンシールは装飾性に富んでいる分コストが高くなりがちですが、リーズナブルなアート紙を使うことで、若干のコスト削減が可能です。

幅広い印刷方法や特殊加工に対応できるため、安価でも安っぽい印象にはなりません。商品のイメージに合わせてさまざまな技術を取り入れると、競合商品にはない独自性や高級感の演出につながります。

以下は、当社で制作したリボンシールの一例です。

リボンシール
製品一覧|リボンシール

当社では、40種類以上の豊富なラインナップからリボンのカラーをお選びいただけます。詳しい色味や実際の制作事例については、以下の記事をご覧ください。

リボンシールをギフトに添える。

アート紙と相性のいいシールの加工方法を2つ紹介

エンボス+箔押し加工
エンボス+箔押し加工

アート紙と相性のいいシールの加工方法を紹介します。

  1. 商品パッケージ
  2. 食品ラベル
  3. リボンシール

「エンボス加工」とは、素材に圧力を加えてできる凹凸を利用して、立体的な柄や模様を表現する加工技術のことです。

素材のふくらみだけで柄を表現するため、見た目・触り心地ともに印象に残るアクセントとなります。印刷のデザインなどと組み合わせることで、さらにインパクトのある演出も可能です。

リーズナブルな価格帯のアート紙を使えば、費用を抑えながら一味違った魅力を加えられるでしょう。

エンボス加工については、以下の記事で詳しく解説しています。

エンボスシールを解説|ワンランク上の印象で差をつける!

加工方法2 箔押し加工

「箔押し加工」とは、キラキラと輝く「箔」を素材に圧着させて柄やデザインを表現する加工方法のことです。

独特の光沢や洗練された印象から、高級感を演出するのに向いています。商品ラベルから単体のシール、ステッカーまで、幅広いタイプのシールで使用されている加工技術です。

通常、箔押しは細かいデザインの再現が難しいというデメリットがありますが、当社では文字サイズ最小5pt、最小線幅0.4pt(0.14mm)まで対応できます。(素材によって多少の変動あり)

シールや貼付する場所に華やかさを加えたいときは、特に効果的な加工技術です。

箔押し加工については、以下の記事で詳しく解説しています。

箔押しシール|加工方法から色の種類まで、良品の見分け方を詳しく解説

アート紙を使用したシールの制作事例2選

  1. ひつじや パッケージシール
  2. エルガーホールディングス合同会社 食品ラベル

アート紙を使用したシールの制作事例を紹介します。

制作事例1 ひつじや パッケージシール

福岡県にある和菓子と駄菓子のお店「ひつじや」さんの羊かん用パッケージシールを、当社で制作しました。

ひつじや パッケージシール
制作事例|ひつじや パッケージシール

素材にはアート紙を、インクはDICの日本とフランスの伝統色を選定しています。素材にリーズナブルなアート紙を採用して費用を抑えながら、特色インクでレトロな風合いを表現しました。貼りやすさを重視し、粘着は前面ではなく両サイド10mmのみにセッティングしています。

商品の特性に合わせて予算・デザイン性・利便性のすべてを実現させた、シール印刷会社ならではのこだわりが光るパッケージシールです。

制作事例2 エルガーホールディングス合同会社 食品ラベル

こちらは、当社で制作した「エルガーホールディングス合同会社」さんの食品ラベルです。

食品ラベル
制作事例|エルガーホールディングス合同会社 食品ラベル

アート紙を使用した一般的な食品ラベルです。アート紙らしい微光沢のツヤ感があります。安価な素材なので量産の多くの食品ラベルに向いています。ただ、安価と言ってもチープな印象はありませんのでご安心ください。

コストパフォーマンスと発色のよさを重視するなら「アート紙」がおすすめ

アート紙は、ツヤのある質感と微光沢が特徴の紙素材です。リーズナブルな価格帯ながらも印刷適性が良く、幅広い用途で活用されています。また、特殊加工との相性も良いため、組み合わせ次第でオリジナリティや高級感を演出できることが、選ばれている理由のひとつです。

予算の範囲内で高品質なシールを量産したいときには、特に適している素材だといえるでしょう。

当社では、アート紙を始めとしてさまざまな素材を使用してシールを制作しています。どの素材を選べばいいか迷っている場合は、商品やデザインのイメージに合わせて最適な素材をご提案させていただくことも可能です。オリジナルのシール制作をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

即日回答します。ぜひ一度お試しください。

あなたのシェアが、誰かのヒントになる
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

小島 哲也のアバター 小島 哲也 creative director

取引実績は11万社以上、年間約3,000件のシール印刷の案件を受注。
他とは違った魅力的なシールを適正価格で作製しています。

常に私の頭のど真ん中にあるのは「満足のいくシールをお作りする」です。

お気軽にお問い合わせください。何かお役に立ちます。

目次