糊殺しとは?特徴や加工方法、おすすめの素材について解説

糊殺しとは

糊殺しは、POPアップシールやアテンションシールなどで活用されている加工です。糊殺し加工を用いた商品制作を検討する際に、基礎知識を知っておきたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、糊殺し加工の特徴からおすすめの素材、制作事例まで紹介します。糊殺し加工を取り入れた商品制作をお考えの方は、参考にしてください。

当社ではラベル・シール専門の印刷会社として、アテンションシールなど、さまざまなシールを提供しています。ラベルやシール制作でお悩みの方は、以下よりお気軽にお問い合わせください。

即日回答します。ぜひ一度お試しください。

目次

糊殺しとは?加工の特徴

アテンションシール
アテンションシール

糊殺し(のりごろし)とは、シールやラベルの粘着機能を無くす(粘着機能を殺す)加工のことです。加工を施したシールは、一般的なシールとは異なり、シールの裏面には糊が部分的にしか存在しません。

糊殺し加工は複数の活用方法があり、工夫次第でさまざまなシーンで活用できます。

糊殺し加工の主な3つの活用例

糊殺し加工したシールの主な活用例は、次の3つです。

  • 商品を効果的にアピールする
  • シールを剥がしやすくする
  • ミシン目を切りやすくする

活用例1 商品を効果的にアピールする

糊殺し加工で最もよく使用されるのは、アテンションシール(POPシール)です。

アテンションシールとは、商品パッケージ容器から一部が飛び出すように貼られたラベルを指します。商品シールを飛び出すように貼ると、陳列棚に並んだ際にほかの商品より目立ち、視覚的なアピールに有効です。

アテンションシールイメージ

一般的なシールをアテンションシールとして使用すると、全面に糊が塗布されているため、ホコリが付着したり、ほかの商品にくっついたりしてしまいます。しかし、糊殺し加工をすると、シールの一部だけが粘着するようになり、これらの問題を防ぐことが可能です。

糊殺し加工を施したアテンションシールは、商品の魅力をさらに引き立てる効果があります。

活用例2 シールを剥がしやすくする

糊殺し加工は、シールやラベルを剥がしやすくする際にも活用されます。

一般的には、シールを剥がしやすくする目的で弱粘着や再剥離タイプの粘着剤を使用することもありますが、それでも剥がし始めるきっかけがないと簡単には剥がせません。

そこで、糊殺し加工を用いると、剥がしやすいポイントを作り出せます。

例えば、シールの一部を糊殺し加工を施し、粘着性をなくして指先でつまみやすい三角形部分を設けると、シールを簡単に剥がすことが可能です。

活用例3 ミシン目を切りやすくする

糊殺し加工は、ミシン目のついたシールにも効果的です。

ミシン目のあるシールには、切り取ったり折り曲げたりしやすいように細かい切り込みが入っています。しかし、シール全体に粘着糊が広がっていると綺麗に切れません。

そこで、ミシン目の裏側に糊殺し加工を施すと、粘着性がない部分ができ、シールを綺麗に切り取りやすくなります。糊殺し加工を使うと、ミシン目のあるシールの扱いやすさの向上にも有効です。

糊殺しの加工方法

糊殺し 作業員

糊殺し加工には、主に次の2つの方法があります。

  • ニスの塗工
  • フィルム貼り

加工方法1 ニスの塗工

ニスの塗工は、粘着面に特殊なニスを塗布することで糊殺しする方法です。

ニスの塗工のメリットは、糊殺しの面積や形状を自由に設計できる点であり、アテンションシールなど幅広い用途で利用されています。

ただし、コーティングを施して粘着剤を低下させているため、時間の経過と共に糊が若干復活する場合もありますので、注意が必要です。

またニスを塗工での糊殺しは、透明素材には不向きな場合もあります。ニスは不透明ではないため、素材の透明度が落ちてしまうためです。

加工方法2 フィルム貼り

フィルム貼りは、シールの粘着面に特殊なフィルムを貼り、非粘着化する加工方法です。ニスと同様に部分的に貼り合わせ、粘着を抑えることが出来ことができます。

フィルム貼り加工は、一度貼ったフィルムは時間が経過しても粘着力が復活しないため、長期間陳列される商品シールなどに適している加工方法です。

また、シールの一部分に粘着しない面を作る方法は、糊殺し加工以外にも「部分糊原紙」という方法もあります。

次の章では、糊殺し加工と部分糊原紙の違いを見ていきましょう。

糊殺し加工と部分糊原紙の違い

アテンションシールを制作する際には「糊殺し加工」のほかに「部分糊の原紙」を使う方法もあります。

どちらの方法も、シールの一部に粘着しない面を作る点では同じ効果を持っていますが、以下のように制作方法が異なります。

糊殺しシールの粘着面にニスやフィルムを使用して、粘着性を抑える加工方法
部分糊原紙糊面に特殊加工を施された原紙ロールをメーカーに特注して使用する方法

部分糊原紙は、特殊加工された原紙ロールをメーカーに特注する方法です。原紙自体が部分的に糊のない状態で供給され、一部が粘着しないシールの大量生産ができます。

ただし、特注の原紙を製造してから印刷工程に入るため、納期について事前に相談が必要です。また粘着しない箇所の形状は直線のみという条件があるため、デザインの自由度は制限されてしまいます。

制作するシールの用途や目的に応じて「糊殺し加工」または「部分糊原紙」を選びましょう。

糊殺しにおすすめの素材4選

シール素材

糊殺し加工を施すシールは、素材選びも大切です。

特にアテンションシールなどに使用される場合は、粘着面でない部分が折れ曲がらない素材選びがポイントとなります。

糊殺し加工に適した素材は、以下の4つです。

  • ユポ
  • 銀ネーマー
  • 透明PET
  • アートコート紙

おすすめ素材1 ユポ

ユポ
ユポ

ユポは、ポリプロピレンを主原料として、耐久性と耐水性に優れている素材です。そのため、湿気や水に濡れる可能性がある冷凍食品や化粧品などの商品にも使用されています。

また、油や薬品にも強い素材で、接触しても品質が劣化することはほとんどありません。ユポの質感はサラサラとした指触りです。コスト面でも安価で、幅広く使用されています。

ユポについてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

ラベル素材|ユポは安価ながら、高い耐久性を備えているフィルム素材です。

おすすめ素材2 銀ネーマー

銀ネーマー
銀ネーマー

商品をより目立たせたい場合は、銀ネーマー(銀PET)がおすすめです。

銀ネーマーはシルバーメタリック感が特徴で、光を反射して商品の存在感を際立てます。またフィルム素材であるため、シールを綺麗に剥がせるというのも利点です。

耐久性・耐水性にも優れており、長時間の使用にも適しています。銀ネーマーは「グロス」と「マット」の2種類があります。グロスタイプはツルツルとした指触りで、一方マットタイプはサラサラとした指触りです。

商品のイメージに合わせて選ぶと良いでしょう。

銀ネーマーについて詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

ラベル素材|銀ネーマーはグロスとマットが選べるフィルム素材です。

おすすめ素材3 透明PET

透明PET
透明PET

透明PETは、透明シールに糊殺し加工を施したい方におすすめします。

透明であるため、透け感を生かしたアテンションシールやPOPシールの制作に最適です。透明PETの質感は、指触りがツルツルのグロスタイプと、指触りがサラサラとしたマットタイプがあります。

また透明な素材でシールを制作する際には、白インキで目止めした後に絵柄を印刷すると、デザインがより鮮明に映える仕上がりになります。

透明PET素材についてさらに詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。

ラベル素材|透明ペットは耐久性の高いフィルム素材です。(見た目の黄色は台紙の色です)

おすすめ素材4 アートコート紙

アートコート紙
アートコート紙

アートコート紙は、少しでもコストを抑えたい場合に特におすすめの素材です。

ただし、アートコート紙を使用する場合は、次の2つに注意しなければなりません。

  1. 綺麗に剥がれない場合がある
  2. 湿気を吸って紙がカールする可能性がある

アート紙は、剥がす際に綺麗に剥がれないことがあるため「弱粘再剥離」や「強粘再剥離」の粘着糊を検討する必要があります。また、湿気を吸うと紙がカールすることがあるため、シールのサイズを変更したり、糊の面積を広くしたりするなど工夫も必要です。

当社では、素材サンプルを用意しています。素材選びでお悩みの方は、実際の商品に貼って使用感をお確かめいただけますので、お気軽にお問い合わせください。

糊殺し加工シールの注意点

糊殺し 確認中

糊殺し加工の主な注意点は、以下の2つです。

  • 納期が長くなる可能性がある
  • 一般的なシールと比べるとコストがかかる

注意1 納期が長くなる可能性がある

糊殺し加工は、一般的なシール制作に比べてニスやフィルムを貼る工程などが追加されるため、作業工程が増えます。

さらに、糊殺し加工には通常の印刷に加えて、糊殺し専用の版を1枚追加で作成が必要です。そのため、一般的なシールよりも制作時間がかかる可能性があります。

シール制作を依頼する際は、納期に余裕を持って計画を立てることが大切です。

注意2 一般的なシールと比べるとコストがかかる

糊殺し加工は通常のシール制作よりも作業工程が多く、専用の版を作成するため、制作コストが高くなります。そのため、制作を依頼する際は、事前に印刷会社への見積もり依頼がおすすめです。

より正確な見積もりを算出してもらうためには、以下の情報を伝えます。

  • シールのサイズ
  • 形状
  • 用途
  • 注文数
  • デザインイメージ

また、素材や加工について不安がある場合は、遠慮なく印刷会社に相談してください。シール専門の印刷会社では、専門知識を持つスタッフが最適な素材や加工方法をアドバイスしてくれます。

当社でも糊殺し加工もしており、以下のページではアテンションシールの概算見積もりを案内しております。ぜひご確認ください。

アテンションシール 概算見積もり


なお、正確な金額を知りたいという方は、お見積りページからお気軽にお問い合わせください。

糊殺しを使ったアテンションシールの制作事例

サンドラ アテンションシール
制作事例 | サンドラ アテンションシール

最後に当社で制作したアテンションシールを紹介します。アテンションシールは、商品をエンドユーザーにアピールする上で効果的です。

当社では、数ある商品の中から選んでいただけるよう、さまざまなアテンションシールの制作ができます。例えば、シールの正面側への糊つけや変形の糊止め加工、さらに糊止めした部分への印刷など、幅広い用途に対応したシールの制作が可能です。

商品用のアテンションシールやアイキャッチシール、POPシールなどでお悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。

また、アテンションシールについて詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。

製品一覧|アテンションシール

印刷会社に相談して理想の糊殺し加工シールを制作しよう

アテンションシール
アテンションシール

糊殺し加工は、シールやラベルの一部分の粘着性を無くす加工方法です。主に、商品を効果的にアピールするためのアテンションシールや、シールを剥がしやすくするなどの目的で使用されています。

当社では、記事内に紹介したアテンションシールのように、使用目的に応じてさまざまなシールやラベルを制作しています。

商品ラベルやシール制作をご検討の方は、糊や素材選びから完成まで丁寧にサポートいたしますので、お気軽にお問い合わせください。

そのお仕事、私たちにお任せください。
ご満足頂けるようサポートします。

この記事を書いた人

小島 哲也のアバター 小島 哲也 creative director

取引実績は11万社以上、年間約3,000件のシール印刷の案件を受注。
他とは違った魅力的なシールを適正価格で作製しています。

常に私の頭のど真ん中にあるのは「満足のいくシールをお作りする」です。

お気軽にお問い合わせください。何かお役に立ちます。

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