カットパス(カットライン)とは?作り方や注意点なども紹介
カットパスは、ステッカーやシール、変形パネルなどを制作する際に必要な工程です。
しかし、カットパスの名前を知っていても、種類や具体的な作成方法について詳しくわからないという方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、カットパスの特徴や作成手順、注意点について紹介します。オリジナル商品の制作をご検討されている方は参考にしてください。
当社ではラベル・シールを専門に取り扱う印刷会社として、さまざまな商品のラベル制作を行っています。商品ラベルやシール制作に関してご不明点やお悩みがございましたら、以下よりお気軽にご相談ください。
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カットパスとは
カットパス(カットライン)とは、印刷物を希望の形状に切り抜くために使用される「線(ライン)」のことです。この線は、印刷物を切り抜く位置を正確に示す役割があります。
カットパスを作成することで、見た目が整うだけではなく、シールの剥がしやすさも向上します。
また、カットパスは、単純な四角形や円形だけではなく、ロゴやキャラクターの形状なども作成可能です。カットパスを作成すると、印刷物をより理想に近い形状に仕上げられます。
カットパス = 抜型
印刷会社はカットパスで指示された寸法と形状で抜型を作成します。つまりカットパスが印刷物の仕上がりの線になります。上記は当社で使用する抜型になります。
カットパスの主な効果4選
カットパスには複数の効果に期待できます。主な効果を以下にまとめました。
効果 | 内容 |
切り抜き位置を正確に指定できる | ・印刷物のどの部分を切るのかを明確に指定できる |
仕上がりの見栄えが向上する | ・印刷物の縁が正確に指定できる ・加工機がカットパスに沿って正確に裁断するため、縁が整い、美しい仕上がりになる |
オリジナリティが向上する | ・自由な形状で独自性のあるデザインが可能 ・オリジナルステッカーやグッズを制作にも最適 |
変形印刷物の制作ができる | ・ロゴやキャラクターのシルエットに沿った形状にカットできる ・ユニークな印刷物の作成も可能 |
カットパスを作成すると、印刷物の見た目が美しくなります。また、オリジナリティのある商品作りや、プロモーション用途にも最適な加工方法です。
カットパスによく使用される商品や用途
カットパスは、自由な形状や高品質な仕上がりを実現できるため、多くの商品で活用されています。
以下は、カットパスがよく利用される代表的な商品とその内容です。
商品 | 内容 |
シール・ステッカー | ・四角形や円形だけではなく、ロゴやキャラクターに沿った形状のシールやステッカーが作成できる ・シールやステッカーの剥がしやすさも向上する |
マグネットシート | ・希望の形状にカットするのに、カットパスが用いられる ・オリジナルの形状に仕上げられるため、プロモーションや販促物にも適している |
変形パネル | ・展示会やイベント、広告で使用される変形パネルは、形状を指定するためのカットパスが使用される ・人物のシルエットなど、立体的なデザインにも対応可能 |
アクリルホルダー・スタンド | ・アクリル素材で作られるキーホルダーやスタンドに合わせた形状にカットできる ・オリジナルグッズやキャラクター商品に最適 |
カットパスは、シールやステッカーのような小物から、変形パネルのような大型商品まで幅広いアイテムで活用されています。
シールのカットパスは大きく2種類に分けられる
シールのカットパスには「ダイカット」と「ハーフカット」 の2種類があります。
それぞれの特徴を理解し、用途に応じて適切な方法を選びましょう。
- ダイカット
- ハーフカット
種類1 ダイカット(ブチヌキ)
ダイカット(ブチヌキ)はカットパスのラインに沿って印刷物全体を切り抜く方法です。ダイカット(Die cut)のダイは型・金型という意味で、主に以下の用途で使用されています。
- ステッカー
- マグネットシート
- 変形パネル
- アクリルキーホルダーやスタンド
ダイカットは、さまざまなアイテムに対応できる加工方法です。
種類2 ハーフカット
ハーフカットは、シールのみカットし、台紙には刃を入れずに仕上げる方法です。シールよりも台紙の方が広くなります。カットパスは主に、以下の用途で使用されます。
- シール帳のような台紙付きシール
- 剥がしやすいステッカー
シールやステッカーが剥がしやすいため、使いやすさを重視する場面にも最適です。
カットパスの作成手順
カットパスは、illustratorやPhotoshopなどのデザインソフトで作成します。当社でお取引あるお客様の約95%がillustratorを使用しているため、今回はillustratorでの作成手順を紹介します。
- 直線を繋いでおおまかに画像を囲む(2mm程度画像と離して作成する)
- カットパスを丸く滑らかに整える(手順1で作成したパスを選択し、効果メニューより「スタイライズ」→「角を丸くする」をクリックする)
- アピアランスを分割する(オブジェクトメニューから「アピアランスを分割」を選択した丸み部分をパス化する)
カットパスを施した制作事例
当社では、カットパスを施したラベルやシールも制作しています。
以下は、実際に制作した事例の一部です。ぜひ参考にしてください。
- note株式会社様 ノベルティシール
- VERVE様 ノベルティシール
- freee株式会社様 ノベルティシール
事例1 note株式会社様 ノベルティシール
note株式会社様より「変形で打ち抜かれたステッカーを制作したい」とご相談があり、ロゴの形状に沿ってカットパスを施しました。
- 素材:ユポ80μを使用し、表面保護にマットラミネート加工
- 質感:サラサラとした手触りで、高級感のある仕上がり
このような全抜きは、そのまま配布でき、受け取った人もすぐに利用できるため、ノベルティシールに適しています。note株式会社様の制作事例について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
事例2 VERVE様 ノベルティシール
ヴァーヴコーヒーロースターズ様より、ノベルティとして配布するシール制作のご依頼でカットパスを施し、シールがより際立つように仕上げました。
- 素材:耐水性・耐久性に優れたユポ80μを採用
- 質感:表面に半透明のマットラミネートを施し、サラサラとした高級感のある仕上がり
丸型のシールは両面印刷をし、裏面にはVERVE様のプロジェクト説明とQRコードを印字しています。ブランドイメージに合致した、高品質なノベルティシールを制作できました。
ヴァーヴコーヒーロースターズ様の制作事例について詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。
事例3 freee株式会社様 ノベルティシール
freee株式会社様より「変形の抜型でステッカーを全抜きして欲しい」とのご相談いただき、カットパスを施しました。
- 素材:ユポ80μを使用し、表面保護としてラミネート加工
- 質感:サラサラとした手触りで高級感のある仕上がり
ラミネート加工により、擦れによるインクの剥がれを防ぎ、耐久性も向上させています。
freee株式会社様の制作について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
カットパス作成時の3つの注意点
最後にカットパスを作成する際に、気を付ける点を紹介します。
カットパスの主な注意点は、以下の3つです。
- 複雑な形状や尖った角度は避ける
- 1つのデザインに対して適切なカットパスを設定する
- 印刷会社のデータ制作内容を確認する
注意点1 複雑な形状や尖った角度は避ける
カットパスは90度未満の鋭角や複雑な形状も対応可能ですが、尖りすぎている場合は丸みをもたせて調整することがあります。デザインに鋭角な部分が含まれていて不安な場合は、事前に印刷会社へ相談するのがおすすめです。
また、印刷会社によっては、カットパスの数が増えるとコストが変動することもあります。シンプルなカットパスにすることで、仕上がりの美しさを保ちつつ、コスト削減につながる場合もあります。
注意点2 1つのデザインに対して適切なカットパスを設定する
1つのデータに複数のデザインを混在させる場合、各デザインごとにカットパスを設定する必要があります。例えば、1つのシートに複数のシールが付いたデザインでは、各シールのカットパスを正しく設定すれば問題なく印刷が可能です。
ただし、各デザイン間のカットパスの間隔や配置ルールは、印刷会社によって異なる場合があります。事前に印刷会社のガイドラインを確認してデータを作成しましょう。
注意点3 印刷会社のデータ制作内容を確認する
カットパスデータについては、印刷会社によって独自のルールが設けられています。例えば、パス数の制限や余白の幅、対応可能なデータ形式や種類など、条件は印刷会社によってさまざまです。
そのため、データを作成する前に、各社が提供している「データ制作ガイド」や「ご利用ガイド」を必ず確認してください。
また、注意書きにも目を通し、不明点があれば事前に問い合わせをするのがおすすめです。事前に確認することで、データ不備やトラブルを未然に防げます。
当社のデータ入稿ガイドは、以下で紹介していますのでご覧ください。
データ入稿ガイド
カットパスについて理解し、オリジナル製品を作成しよう
カットパスはシールやステッカー、変形パネルなど希望の形状に切り抜く際に使用される「線(ライン)」のことです。カットパスに沿って裁断すると、正確な位置を示すことができ、見た目を美しく整えたり、シールを剥がしやすくしたりする効果があります。
いくつかの注意点を守れば個人でも作成できるため、参考にしてください。当社では、使用目的に応じたさまざまな商品ラベルやシールを制作しています。
シール制作のサポートはもちろん、再現が難しい場合はデザインを代わりに修正することも可能なため、お気軽にお問い合わせください。
そのお仕事、私たちにお任せください。
ご満足頂けるようサポートします。