ライメックス(LIMEX)とは?素材のメリット・デメリットを解説
環境に優しいシール ライメックス (LIMEX)を紹介します。
ライメックスとは石灰石を主原料にした、紙でもフィルムでもない新しい素材です。一時期話題にもなりご存じの方も多いかと思います。ただ、当時はシール素材でのラインナップがありませんでした。しかし、現在では技術が向上し、私たちのシール市場でも取り扱えるようになりました。(待ってました!)
というわけで、今回はこのライメックスを詳しく解説していこうと思います。
即日回答します。ぜひ一度お試しください。
環境に優しいシール素材 ライメックス とは?
LIMEX(ライメックス)は紙製品の代替品として、株式会社TBMという会社が発明した環境に優しい素材の商標名です。ライメックスは石灰石とポリマーを組み合わせて作られた合成素材であり、従来の紙やプラスチックに代わる持続可能な素材として注目されています。ちなみに、よく勘違いなさる人がいるのですが、石灰石100%ではありません。形成するために合成樹脂が混ぜてあります。
詳しくはこちら「3分でわかるライメックス」をご覧ください。
特徴
ライメックスの主成分の石灰石は、「紙」や「フィルム」の製造に使われる資源の木材や石油と比較して、天然資源の節約に貢献します。木材の伐採や石油の採掘など、これらの資源の利用に伴う生態系への影響を軽減します。
製造工程においては、従来の製紙プロセスに比べてはるかに少ない水量で済むため、水資源の浪費を減らし、水汚染のリスクを低減するとのこと。TBM曰く、ライメックスは紙に比べ、森林資源を使用せず、紙1tあたりの製造における水の利用を97%減らせるとの事です。(そんなに!?)
また、プラスチックと比べると、石油樹脂の使用量を軽減し、CO2などの温室効果ガスを削減するようです。
まとめると、ライメックスは天然資源の節約、水の効率的な利用、低炭素排出など、さまざまな点で環境に優しい素材です。これらの特性は、持続可能性の観点から高く評価されています。(いい事づくしですね!)
耐水性
水に対して耐性を持っています。ライメックスはフィルムと近いので水に触れてもその質感や強度をほとんど損ないません。また、高湿度の環境にも耐えることができます。湿度が高い場所での使用も可能です。
このように、ライメックスは水に対する耐性を持つため、水に触れるラベルやシール、防水カード、湿気の多い倉庫での文書保存など、さまざまな用途で利用されています。
耐久性
物理的な強度に優れています。曲げ、折り曲げ、圧縮などの力に対して耐性があります。そのため、ライメックス製品は一般的な紙よりも耐久性が高く、長期間使用することができます。もちろん、屋外での使用にも耐える素材です。紫外線や気象条件に対しても耐性を持っており、ポスターや看板、屋外マーケティング資材などに適しています。
耐摩耗性も高いため、表面がこすれても劣化しにくく、キズやすり減りが少ないです。これはシールやラベルの表面が摩擦に晒される場面で優れた性能を発揮します。
一般的な化学薬品に対しても比較的耐性があります。一般的な酸やアルカリ、油脂などに対して劣化しにくいため、化粧品ボトルやアロマオイルのボトルなどに使用するのにも適しています。
総合的に見て、ライメックスはフィルムと同じくらいの耐久性に優れた素材であり、さまざまな状況で長期間使用することができます。その耐久性は、様々な産業や用途において、持続可能な素材として広く評価されています。
リサイクル
シールの場合は商品に貼ってしまうためリサイクルが出来ませんが、ライメックスはリサイクルが可能です。環境への負荷を減らすために、使い終わった後にリサイクルプロセスに回すことができます。この循環性もライメックスが注目される理由の一つです。ただ、自治体が行う一般的なリサイクルではなく、ライメックス独自のリサイクル方法限定となります。
印刷適性
印刷適性はとても良いです。平滑で均一な表面を持っており、これによって高品質な印刷が可能です。カラフルなイラスト、テキスト、写真などを美しく印刷することができます。色彩が鮮明で、デザインの細部もはっきりと表現されます。また、インクとの密着性にも優れています。インクが素材にしっかりと定着するのでラベルやシールに適しています。箔押しでもテープテストしましたが問題ありませんでした。
ライメックスの質感
サラサラとした質感があります。シール印刷のフィルムで最もメジャーな、「ユポ」に似ています。アップル製品の外箱のに似た質感です。ただ、ユポよりも若干光沢があります。唯一気になったのは、指紋が残りやすいです。無料サンプルもありますので、欲しい方はお気軽にお問合せ下さい。
環境に優しいシール ライメックス デメリット
1、デリバリーが悪い
まだデリバリーが悪いです。ライメックスまだシール素材として売り出してから時間が経っていない為、供給の体制が整っていないようです。当社には1ロット分の在庫はありますが、それ以上になると発注しなくてはなりません。現段階では発注してから入荷まで1ヶ月かかる場合もあるそうです。他の素材は翌日に入荷するのに対し、1ヶ月は長いなと思いました。徐々に体制が整っていくそうなので、今後に期待をしています。(応援せねば!)
もし、ライメックスでシール制作の際は、あらかじめ在庫の確認して頂くと良いかもしれません。
2、値段が若干高い
環境配慮素材にありがちなのですが、若干価格が高いです。その中でもライメックスは安い部類に入りますが、一般的な素材からの切り替えにはまだ若干価格が高いです。また、必要な分だけ購入ができる一般的な素材に対して、ライメックスは1ロット(巾約1m×長さ200m)でしか購入できないので、経済的には優しくないです。
3、本当に環境に優しい?
当社としては環境に優しい素晴らしい素材だと感じていますが、中にはそうでない意見もあります。どちらか一方の話を鵜呑みにせず、中立な立場で判断したいと思います。
例えば、紙の原料となる森林は植樹により再生できるのに対し、石灰石の採掘は一度始めると復元することが出来なかったり、樹木の伐採に比べ大型の重機が必要になり大きなエネルギーが必要となるそうです。ただし、国内の石灰石のほとんどはセメントといった建築物や道路に使われており、ライメックスで使用される石灰石の量は国内使用量の0.01%程度とのことです。
また、紙の製造に使う木材料の90%は、他に用途の少ない低質材や間伐材など、用途の無くなった木材を使用されているそうです。そして、紙の製造時に大量に使う「水」に関しても、実は水道水ではなく、川の水を利用し、使用後は洗浄して川に戻しているそうです。つまり、利用はするが消費はしていないとの事です。(ん~!素晴らしいカウンターパンチ!紙の意見も強かった!)どっちもなるべく地球にやさしい方法をとっていますね。
4、LIMEXのロゴマークと訴求表示の使用には申請が必要
せっかく環境に優しい素材を使っているのですから、環境を配慮の企業宣伝を含め、その旨を印刷し消費者に伝えたいですよね。ライメックスを使用した印刷物には、上記の「ロゴマーク」と「訴求表示」を印刷することができますが、申請が必要です。TBMさんにも確認したところ、印刷データを作るお客様がご自身で申請する必要があるそうです。(これが面倒な方もいらっしゃるかと思います)
ライメックスのWEBサイトではこう記載されています。「LIMEXロゴマーク、LIMEX訴求表示は、その素材や製品LIMEX、LIMEX製品であることを示す際や、説明をする際に使用されるものです。それ以外の用途は、原則使用することはできません。また、ガイドラインで定める使用目的であっても、当社が不適切と判断した表記・表現については使用を禁止いたします。」
という訳で、ロゴマークと訴求表示が必要な場合は「ガイドライン」を一読し、「申請フォーム」から申請してください。以下ボタンはサイトにリンクしています。
環境に優しいシール ライメックス まとめ
ライメックスは環境に優しく、機能性の高い素材だと思います。ただ、環境に100%優しい素材なんて存在しません。人間のやる事ですからサプライチェーンで何かしら環境や資源を犠牲にしています。
なので、「本当に環境に優しいのですか?」という疑問に私たちは明確にお答えすることは出来ません。見る立場によって意見も異なってきますし、サプライチェーンを細かく見ていくとどれが正解なのかは分かりません。つまり、どの素材もお客様の判断でお使いくださいという結論になりました。
シール印刷を営んでいる私たちにとって主流だった「紙」でも「フィルム」でもない「石灰石」から出来た第三の素材は非常に魅力的ですし、環境意識の高いお客様が増えて頂ければそれでOKです。それに、今までの常識のとらわれず、新しいモノは積極的に使っていけば良いとも思います。私たちは環境に優しいシール ライメックスをお勧めします。
気になるお客様はとりあえず一度使ってみてはいかがでしょうか。
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